…も人の子
大きな組織の中で仕事をしていると時としてその組織を無意識のうちに擬物化して見てしまうことがあります。
- どこの会社でもありますが、外資でも毎年社員の成績評価が行なわれます。むしろ外資の成績評価プロセスの方がより細かく、緻密にマニュアル化されていると言ってもよいかもしれません。
- 基本的には、直属の上司とその社員とで作成した成績評価書をもとに評価されます。多くの外資では、全ての社員はある決められたグループの中に割り当てられ順位付けがなされます。20人のグループであれば、一番から20番まで順位がつけられるのです。そしてそれがダイレクトに昇給に影響します。
- とても割り切った能力主義で、なんだかなぁなぁで決めてしまうよりは遙かにいいシステムだと個人的には思います。日本の企業でも最近はずいぶんとこういう傾向が出てきているようで、やはり能力主義への転換が進んでいるのでしょうね。
- こんな時、我々は会社という組織をともすれば擬物化して考えがちです。すなわち、組織をきわめて客観的な判断を機械的にする「物」のように思ってしまいがちです。
- ところがどっこい、組織は物ではありません。外資でも全く一緒です。組織は人なのです。人の集まりです。例として挙げた成績評価の場でもそんなことがかいま見えてきます。
- 20人の社員の順位を付けるとしましょう。複数のマネージャーが集まり協議をします。もちろん基本的には過去一年間の社員の実績・achievementが骨子となる順位付けです。しかしマネージャーも人です。
- 人によっては判断の基準にpersonal perceptionをより多く持ち込む人もいます。例えば、拮抗したAさん、Bさん、2名の優劣を決める議論などではこれはより顕著になってきます。Aさん、Bさんの事をそれほどよく知らないマネージャーであればなおさらです。こんな事まで言い始めます。「Aさんはオフィスやエレベーターで会ったときなんかに挨拶もしないよね」。外国人マネージャーでもそんなことをいいます。そしてそういうコメントは評価に微妙に影響してしまうのです。
- やはり組織は人だなぁと思います。私も昔に当時の上司との成績評価書の合意ミーティングで「あなたは時折、顔が恐い、ことがある」といわれて苦笑したことがあります (-_-;)